2007年 10月 16日
久しぶりの更新です。 いつも更新を楽しみにしていただいた方、お読みいただいた方、 はじめて来てくださった方、ご報告です。 2007年4月より、築80年のわたくしの祖父の家を 自らの手で改装しようと作業を進めておりました。 が、9月になり祖父から連絡が入り、 「孫にばっかり苦労かけられないから」 との理由で、祖父が大工に依頼し改装を完了してしまったのです。 「プロセスが大切」 という僕の考えがうまく伝わっておらず、 祖父は責任を感じ、相談なしで工事を行ってしまったのです。 今では、祖父の家は小ぎれいに取り繕われ、寂しい、 というのが僕の今の気持ちです。 これといって作業を続ける箇所は見当たらなく、 このブログの更新もこれでおしまいとなってしまいそうです。 長らく更新が滞った上、急遽ブログ閉鎖となってしまったこと、 本当にごめんなさい。 また、何か別のプロジェクトでお目にかかれるよう頑張ります。 #
by wata_tk
| 2007-10-16 12:35
2007年 08月 17日
今日は祖父の家のある地域についてお話しします。 ここは栃木県鹿沼市久我(くが)です。街灯もまばらで、住宅もぽつんぽつんと建つ程度。おもな生業は農業で、平屋の農家住宅がそのほとんどです。 この集落の始まりは源平の戦いにまで遡ります。戦に破れた平家の落人がこの久我の山に逃れたのが最初。祖父(そして僕)がその直系の祖先かは分かりませんが、そのような歴史のある場所です。 近くには古峰原神社(こぶがはら)や石裂山(おざくさん)など、信仰の場としての自然が豊富で、久我もそんな神聖な雰囲気の漂う山村地帯です。 #
by wata_tk
| 2007-08-17 22:08
| 周辺環境
2007年 06月 04日
和室6畳(間取り図はこちら)から始めようと決めた。 ここは痛みが一番ひどい。畳は沈み、廻り縁(天井面と壁面の取り合いに回る材)と壁の間からは雨漏れが確認できる。いつ床が抜けるかも分からず、歩くこともできやしない。 とりあえず、畳を全部はがし、床下を確認。 床板には松と杉が使われていた。杉はほとんど腐食。しかし松の部分は無事だった。杉の床板は全て外した。 これだけと思いきや、びっくり。床板を支える根太も一部腐っていた。こりゃあ畳が沈むわけだ。 ここで予定を変更。松の床板を支える根太も腐ってるかもしれないので、松もはがすことに。これでこの部屋の全ての床板が消えた。 案の定、そちらの根太にも腐食を確認。構造材によいと聞いた栗の木で根太をつくり直す。 腐食部分を全て取り替えた。それにしても杉はこんなにも腐りやすいんだと実感。地面からの土液も多いことも考えないと、また腐ってしまう。大変だーこれ。 おまけに、押入れの床も全部抜け落ちていた。 #
by wata_tk
| 2007-06-04 20:55
| 作業
2007年 05月 22日
作業をはじめる前に、まず、簡単に間取りをとってみる。 居室は3つの畳和室に板間の納戸、囲炉裏室、玄関の間、で構成されていて、浴室、便所、農薬倉庫が付属する。さらには屋根裏に食物倉庫があり、上り口は土間にはしごを架ける。 また、主屋の南には雨屋(農業機具などのための倉庫)を持つ。 その更に南には山から流れ出る沢があり、生活があった頃は野菜や食器を洗ったり、果物を冷やしたりしていたようだ。冷たくて気持ちがいい。飲めそうだし。 #
by wata_tk
| 2007-05-22 17:10
| イントロ
2007年 05月 21日
栃木県鹿沼市の旧市街から西へ10km、車で15分の山間に築80年の祖父の家がある。 祖父の家と言っても、祖父は15年前に市内に住まいを移しているから、その山間の家は15年の間、人が足を踏み入れていない“空き家”ということになる。 四方を山に抱かれたその土地には、田畑と沢があり、ひっそりと赤トタンの主屋と雨屋が建つ。隣家までは約100メートル。聞こえてくるのは風とそれに揺れる木々と沢のせせらぎだけ。 そんな祖父の家に5、6年ぶりに訪ねた。僕はその5、6年の間に横浜の大学に進学し、実家に戻って地元の大学院に進学し、いろいろと生活は変化したけれど、その家は何も変わっていない。変わらない風景がそこにはあった。 僕は旧市街で町並み研究を行い、古い建物を再利用する手だてをいろいろ考えていた。変わりゆく社会環境の中で、建物を長く使い続けて行くにはどうしたらいいか。ちょうど僕はそんな課題を実際に試せる、実際に建物に手を入れられる機会を探していた。 そんな折に訪れた祖父の家。曾祖父が建てた、この自然とともにある家をこのままにしておくのはもったいない。一気にやる気が湧いてきた。大学院生活2年、一人でどこまで出来るか分からない。でもやらなきゃ後悔すると思った。 考えた結果、この祖父の家を“週末住宅”として蘇らせたいと思う。横文字で言えば“ウィークエンドハウス”。読書するものよし、菜園を営むのもよし、勉強するのもよし、パーティーするのものよし、瞑想するのもよし、グリーンツーリズムの宿にも出来るかもしれない。この家には人の気配が何より似合う。そして、この改装自体が、建築を学ぶ僕自身の勉強になる。 ここでは、この祖父の家の改装の様子をお伝えしていきたいと思います。 はじまりはじまり。 #
by wata_tk
| 2007-05-21 23:18
| イントロ
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